共通テストまでのカウントダウン⑨と源氏作家、逝く…

ハロウィンもポッキーの日も終わって11月も半ばです。そろそろクリスマスに備えて町中がキラキラ浮かれだすと思うけど、みんなは一心不乱に勉学に励みましょう。

今週の勉強内容です。

今週の勉強内容

センター試験の過去問

そろそろセンター試験の過去問を演習していきましょう。

受験生くん

共通テストの対策をするにあたって、センターの過去問を解く意味ってあるの?

と思うかもしれませんが、大いにあります。具体的な進め方は次の記事にまとめておいたので確認しておいてね。

共通テスト国語の対策★センター試験の過去問は何年分やればいいの?演習方法を徹底解説!

今週は2018年度の本試験を解いてください。

古文単語

今週はまた第2章

文脈判断もとっても大事だけど、もともとの単語の意味をしっかり覚えていないとやっぱり正解肢を選べないから、油断せずに何度も確認を重ねよう。

今週の雑談

9日、作家の瀬戸内寂聴さんがお亡くなりになりました。

最近体調がすぐれないとのことで、ネットのコラムも秘書の方が代筆されてたから気にはなっていたんだけど、まさかこんなに早く訃報を聞くことになるとは思わなかった。

みんなは瀬戸内寂聴さんのこと知っていますか?

源氏物語を読みたいんだけど、誰の現代語訳がおすすめ?って聞かれた時、私は決まって寂聴版を薦めていました。

原文に比較的忠実で、文章が読みやすい。でも王朝文学特有のみやびな雰囲気は残っていて…。

橋本治さん、田辺聖子に続き寂聴さんまでお亡くなりに。源氏物語界隈はすっかり寂しくなりました。

私のイチオシ、寂聴版の「源氏物語」は講談社から文庫が出ています。巻末に各帖の解説があってそれもまた面白いねん。

寂聴さんは、翻訳だけでなく源氏物語の関連書籍も数多く出版されています。

 

ちなみに先ほどあげた橋本治さんの源氏物語はこちら。

これは一言でいうと、とんでもなくエロい源氏物語です。

源氏物語ってベッドシーンをはっきり描かないんだけど、そういう「え?これってもしかしてそういうこと…?」って想像するような部分をこれでもかっていうくらい詳細に補って描いてくれています。

官能小説並みの赤裸々な描写のせいかどうかは分かりませんが、この『窯変 源氏物語』どうやら絶版になったもよう。私は全巻所有しているので読みたかったら言ってください。

ただ謎に文章が格調高く、読みづらいと言えば読みづらい。

 

それに対し、田辺聖子さんの源氏物語はとにかく読みやすい!

ただタイトルに「新」ってついていることからも分かるように、田辺さん独自のアレンジが加わっています。

日本の全高校生が授業で読む、第一帖「桐壺」(いずれの御時」にか、…)をバッサリとカットしちゃっていたりするんだけど、現代小説の感覚で読めます。

 

最近でいうと角田光代さん。

映画にもなった「八日目の蝉」で有名な角田さんですが、源氏物語の翻訳に5年間かかりきりだったそうです。

 

売れっ子作家や大作家たちが、それだけの労力をかけて現代語訳に取り組む源氏物語。

それだけ有名作家たちが夢中になる魅力、そして現代によみがえらせたいという情熱をかきたてる作品なのでしょう。

寂聴さんと親交の深かった作家の林真理子さんの話によると、寂聴さんはご自分の作品について「私が死んでも、後世に残る作品は源氏の翻訳しかないだろう」と言っておられたそうです。

 

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古文が読めなくても、偉大な大作家たちが日本の宝である古典文学に息を吹き込んで新しい作品を生み出してくれています。

人生のどこかのタイミングで、気が向いたときに源氏物語を手に取ってみてほしいということを、寂聴さんの旅立ちに寄せて、皆さんにお伝えしてみました。

今日は国語の先生みたいなことを言ってごめんなさい。