高2時点での志望校は神戸大学だったけど、見事に現役で大阪大学経済学部に合格した卒業生・小屋さんのインタビュー記事後編です。
前編はこちらをどうぞ。
[kanrenc id=”4639″]センター後から二次試験まで
メンタル面
弱音を吐かずに、いつもやるべきことを着々とこなしていた小屋さん。
成績も順調に上がって来ていたし、センター試験の結果も十分に合格圏内だったものの、センター後は少し不安になる時もあったとか。
小屋さん
うえの
小屋さん
普段だったら絶対そこまで思わないのに、テストゼミの問題ができなくて、すごく落ち込んでしまったりしましたね。
なんか気持ちを切り替えるのに効果的だったことってある?
うえの
小屋さん
何があったとかって具体的に言ったわけではなかったんですけど、聞いてもらっただけで、本当に気持ちが楽になりました。
そうなんやぁ。そんな風に言ってもらえると本当にうれしい!
センターが終わって二次試験までの間は受験生が一番不安になる時期だからね。
あんまり男の子は、とか女の子は、っていう言い方をするとよくないかもしれないけど、特に女の子は人に話すことで、気持ちを整理できるところがあるし、話すだけで楽になるって言うのは本当だと思う。
私たちに話すことで、少しでも気持ちを軽くしてもらえるんだったら、いつでも聞くよー。
自分でもいつもと違う精神状態に驚くこともあるかもしれません。でも、後になって振り返れば笑い話です。
不安な自分の心を無理に押さえつけたりせずに、誰かに話して発散しよう。
二次試験前の過ごし方
小屋さんが受験した大阪大学経済学部の二次試験は英語・国語・数学の3教科が出題されます。
英語に関しては、すべての模試を通して安定した成績をとっていたのであまり心配はありませんでした。
小屋さん
それと、やっぱりセンターに比べると二次試験の古文の問題には苦手意識がありました。
うえの
というのも、小屋さんの国語の力が阪大に合格できるレベルに達していたことは、添削や授業中の質問に対する答え方から明らかだったから。
ただ阪大の国語って、かなり難しいねん。正直言って、東大や京大よりも難しいと思う。
なので、小屋さんが不安になった気持ちもとてもよく分かります。
そんな不安をなくし、確実に答案を書く力をあげられる方法はたった一つ。それは添削指導。
うえの
小屋さん
小屋さん
そうやねん!!!小屋さんと言えば古文単語。本当に古文単語の知識に関しては完璧だったんです。
小屋さん
本当に早く覚えてたのがよかったと思っています。
ここ、とっても重要です。
私の授業は4月から受けてくれてたんやけど、本当に最初から単語に関しては授業中に当てても答えられないということがなかった。
うえの
小屋さん
小屋さん
『マドンナ』で一通り覚えたあと、『重要古文単語315』の方で詰めていきました。
使う教材も手順も、まさに私がおススメするやり方そのものやわ。
ここで強調したいのは、完成させる時期です。
どんなに遅くとも6月までにある程度覚えておかないと、阪大以上の大学に合格する力をつけるのは難しいよ。
小屋さんの場合、知識的な部分に不足はなかったので、直前期は答案の書き方の指導に集中できたのです。
阪大の国語は難しいから、人に差をつけるのは無理かもしれないけど、絶対人に差をつけられることはない。
国語に関しては、そんな風に自信を持って送り出せる状態にまで仕上げられました。
卒業生の多くが、直前期の添削指導で成績が伸びたと言ってくれています。
二次試験で国語が必要な人は、直前期にかならず添削指導を受けられる環境を確保しておくことが大切です。
さて、話を小屋さんの受験に戻しましょう。
うえの
保木本先生
結果的に、それがかなり効果があったと思います。
井村先生
限られた時間で何を勉強するかは本当に大切。私たち講師はこの時期、小屋さんの合否は数学の結果にかかっていると思っていました。
井村先生
それはほんまにそうやわ。国語でも同じことが言えます。よく過去問解いて何点とれたかってことだけに一喜一憂している子がいるけど、あれって本当に意味がない。
過去問と同じ問題は出題されません。時間配分の練習や難易度の把握のために過去問演習は効果的だけど、過去問を解くのに必要な基礎知識をもう一度確認しておくことが大切です。
井村先生
検算しながら慎重に進まないといけないんですが、全ての式を検算して…というのはあまりに時間がかかりすぎる。
井村先生
自分のよくするミスを記録し把握することで、「どの部分を慎重に行くのか」という自分だけの感覚を身につけることが重要なんで。
井村先生
確かに人間って同じミスを何回もするもの。
私も、答案を添削しているとき、同じ子に何回も同じことを書くもんね。
人によってやってしまうミスは違うから、自分が注意すべきポイントを自覚するのはとってもいい方法やね。
井村先生
大阪大に現役合格
入試の得点結果
阪大の経済学部ってちょっと入試の形式がややこしくて、小屋さんが合格したのは二次試験の得点を重視するB配点。
英語・数学・国語の満点は180点になるのですが、分かりにくいので、小数点以下を四捨五入して100点満点に換算した結果がこちらです。
国語 | 49点/100点 |
数学 | 97点/100点 |
外国語(英語) | 73点/100点 |
ちなみに、小屋さんが受験した2017年の阪大の国語はめちゃくちゃ難しかったんで、49点は大健闘です。
小屋さん
うん、そうやと思うわ。私も同じ年の阪大合格した子に聞いてみたけど、50点超えてた子はいなかった。
てか数学すごすぎん??苦手科目やったとは思えない!!
小屋さん
本人はそう言って謙遜してたけど、英語や国語に比べると苦手だったはずの数学で、ほぼ満点に近い点数がとれるのは本当にすごいことやと思うよ。
それこそ『技』(高等進学塾のオリジナル演習用教材)とかテキストの内容がそのまま出たという感じですね。
でも97点はほんまにすごい。講師冥利に尽きますね。
うれしいの一言です。
井村先生
問題が簡単だからと言って、それを取りこぼさずに完璧に解けるとは限りません。
基礎をおろそかにせず、コツコツ苦手科目に向き合って勉強してきたこの1年の成果がすべてあらわれた結果だと思います。
阪大現役合格の7つの勝因
小屋さんが阪大に現役合格できた勝因を分析してみました。
①数学の苦手を早めに克服した
阪大文系は数学の出来が合否のカギをにぎっています。
小屋さんは早い段階から、個別指導を受講するなどして数学の苦手を克服しようと意識的に勉強していました。
また数学に限らず、どの教科においても基礎をおろそかにしなかった姿勢はぜひみんなにも見習ってほしいところ。
例えば、古文で言うと単語・文法などの基礎的な暗記事項が早い時期からしっかり固まっていました。
保木本先生
基本の勉強って正直言ってつまらないし、手を抜いてしまいたくなる部分もあると思うけど、本当に小屋さんに関しては基礎が完璧にできていた。
しかも比較的早い段階で。
この点が合格の最大の勝因であったように思います。
②理科や社会にも手を抜かなかった
これも非常に大きな勝因であったと言えるでしょう。
くれぐれも誤解しないでほしいのは、最初から苦手科目がなかったわけではないということ。
前述した数学もそうだけど、高3の5月のマーク模試では社会の成績が芳しくなかったんです。
だけど、それも8月のマーク模試までにきちっと仕上げていました。
日本史の成績が5月の時点では60点だったのですが、8月にはなんと86点に!!出題範囲は広くなっているにもかかわらず、です。
うえの
小屋さん
小屋さん
選択肢の一つ一つに、小屋さんの字で説明が加えられています。
小屋さん
仏像の絵とかも描いたりしてました(笑)。
こんな風に自分なりの勉強法を確立していたのも、小屋さんのえらかったところだと思います。
うえの
二次試験で必要のない理科や社会にも、きちんと時間をかけて勉強していた点が、次に挙げるセンター試験の結果につながっていったのです。
③センター試験で合格圏内の成績をとった
前回の記事で書きましたが、小屋さんのセンター試験の得点率は83.8%。十分に阪大に合格できるレベルの成績です。
大阪大や神戸大の文系学部の場合、センター試験でビハインドをとってしまうと、二次試験での逆転はかなり難しくなる。
実際、毎年センター試験の成績がふるわなかった多くの受験生が阪大・神大への出願を諦めてしまいます。
小屋さんの場合、二次試験の実力は十分にありましたが、もしセンターで大きく失敗していたら、正直私も阪大への出願は薦めていなかったと思う。
しつこいけど、現行の入試制度においては本当にセンター試験の結果が重要なんです。
④復習を徹底的にやった
これについては英語の保木本先生のお話を聞いてみましょう。
特に英作に関しては、僕の言ったことを全部吸収した上で答案を作ってくれてるな、っていうのが添削していてよく分かりました。
保木本先生
私も全く同感です。
一度言ったことは必ず次の答案に反映されていたし、同じ間違いをすることが本当になかった。
これは完璧な復習によってのみなせる業です。だからこそ、典型的な問題だったという数学の問題でもあれだけの高得点がとれたんだと思います。
⑤提案した課題をすべてこなしてくれた
小屋さんには、かなりたくさんの課題を提案したんだけど、それらをすべて言った期日までに終わらせてくれました。
国語はそんなに苦手科目でもなかったのに、それでもかなりの演習量をこなしていたから、苦手な数学は言わずもがな。
井村先生
小屋さん
先生に言われたことだけやってたらよかったんで、安心して勉強できました。
そんな風に言ってくれた小屋さんですが、私たち講師が言ったことを全部完璧にやるってそっちの方が相当すごいから。
⑥模試が悪くてもいちいち泣き言を言わなかった
井村先生
そうそう、模試の成績について泣き言を言わないっていうのは私も強く印象に残っています。
いつもすべての模試の成績がいいなんてことはありえない。小屋さんだって、当然模試の結果がよくない時もあった。
でも小屋さんはそんな成績に一喜一憂することなく、常に自分が何をすべきかを冷静に考えていたし、私たちに求めるアドバイスも非常に建設的なものでした。
模試の成績が悪くって泣きたくなる気持ちは分かる。全然泣いてもいいねん。ただ大事なのは、その模試の結果を見て、そこから何をするか、なんです。
受験生くん
模試の成績を持ってきて、こんな風に聞く子が多いんやけど、私はこれって割と不毛な質問やと思っています。
うえの
でも、そうじゃないなら自分の勉強次第やもん。
たぶん聞いている子のほとんどは、「受かるよ」って言ってもらって安心したいのだと思うし、そう聞きたくなる気持ちもよく分かる。
だから私も聞かれた時はちゃんと成績見て自分が判断した可能性を答えます。
でも小屋さんからは、そんな目先の安心を求めるような質問をされたことは一度もありませんでした。
⑦阪大に行くという意思が固かった
何を教えても全て吸収しようとする、指示したことは毎回完璧にやってくる。
まるで「こうすれば自分は阪大に受かる」と初めからわかっているかのようでした。
井村先生
こう言うと、小屋さんは絶対そんなことないですっていうと思う。とても謙虚な子だし、もちろん受験生時代は自分が合格できるか不安だったはずだから。
でも私には井村先生が言いたいことがよく分かります。
私なりに補足して言うと、小屋さんは「阪大に合格すると決めて」勉強していたように思うんです。
それ以外の余計なことを一切考えていなかった。
だからこそ、私たちが言う「阪大に合格するための」勉強法を着実に実践していってくれたんだろうなって思うんです。
これは、小屋さんの英語のノート。
本当に阪大に行きたいという意思が感じられましたね。
保木本先生
卒業生インタビューを通して、合格した子の話を聞いているとこの点は本当にみんな共通してる。
小屋さんが、食事室や廊下で長時間話し込んでいる姿を見た記憶は全くありません。
「(志望校に)合格できるのかな…?」ではなく「合格する」と決めて、行動していた。その強い意思が合格という結果につながったのだと思います。
受験をふりかえって
小屋さんに、今ふりかえって思う受験の感想を聞いてみました。
小屋さん
もちろん直前期はちょっと辛い時もあったけど、受験当時から楽しかったし、全然嫌じゃなかったです。
うえの
小屋さん
ただ私、朝がめっちゃ弱いんですよ。早起きが苦手で…。
なるほど、受験生によくあるお悩みです。
うえの
実は小屋さん、おうちでは勉強できなかったタイプらしくて、自習室にいる時間=勉強時間だったそう。
日曜日に勉強時間を確保するには、早起きはマスト。
小屋さん
呼びに行くときも、座席表を見る必要なかったわ。
うえの
小屋さん
うえの
小屋さん
周りのみんなが頑張っているのが見えたから、自分も頑張らないとって思えました。
なるほどなー。前の小屋さんのインタビュー記事にも書いたけど、小屋さんのこういうもののとらえ方って本当に素敵だと思います。
[kanrenc id=”2775″]受験生へのメッセージ
最後に小屋さんから受験生のみなさんにメッセージをもらいました。
小屋さん
そして何より楽しんで受験生活を送ってもらえればと思います。
頑張ってください!
阪大に入学後は、サッカー部のマネージャーとして大忙しの学生生活を送っている小屋さん。
小屋さん
確かに大学生活は自由だけど、みんなで一致団結して取り組む行事はないもんね。サークルじゃなくて、体育会の部活だから練習量も多いし、マネージャーの小屋さんに任せられる役割もとても大きいみたい。
小屋さん
先輩も優しいし、部員もみんな仲が良いので、練習外でもみんなで遊びに行ったり、すごく楽しいです。
サッカーに興味がある人、合格後はぜひ大阪大学体育会サッカー部に入部しよう。
インタビュー後記
「受験は楽しかった。」
そう語ってくれたことが何より印象的だった小屋さん。
第一志望校に合格したことももちろんだけど、大学受験を通して大きく成長したその姿、前向きな考え方は本当に素敵でした。
受験さえも楽しんでがんばれた小屋さんなら、どんなことでも乗り越えられるはず。
僕もその姿勢を見習って、国家試験の勉強頑張ります…!?
井村先生
これから訪れる人生の壁も小屋ならきっと笑顔で超えられると信じています。また、なんかあったらいつでも帰っておいでねー!
保木本先生
小屋さん、本当にたくさんお話を聞かせてもらって ありがとうございました。
小屋さんのインタビュー記事
高2の時までの勉強や、思えばもっとこうしておけばよかったなってことを話してくれています。
うえの
河合塾の全統マーク模試のすべての成績と、センター試験の結果から阪大合格までの軌跡にせまった記事です。
[kanrenc id=”4639″]