【国語が大事ドットコム×東大医学部生】東大ライフを語る!

現役の東京大学・医学部生に受験のことや大学生活について突撃インタビュー。

前編の受験編に続き、今日は大学や東京での生活のこと、将来のことについて語ってくれた内容についての記事です。

東大での学生生活

前期教養課程について

東大の最大の特徴と言っても過言ではありませんね。いわゆる進振り前の大学生活について聞いてみました。

進振り前の大学生活はどんな感じだった?

うえの

てらだくん

2回生の後期から、医学部の専門の授業が始まるんですが、それまでは他の大学と同じ感じだと思います。
そんなにしんどくなかった??

うえの

てらだくん

はい。1回生の間に割と単位をとってしまっていたので、特に2回生の前期は暇でした。

あの時が人生で一番遊んだ時期だと思います。もうあんなに遊ばなくていいです(遠い目)。

そういう時期も必要だよね。厳しい受験を乗り越えてきたんだから。

ところで寺田くんって物理選択だったよね?

うえの

てらだくん

はい。化学より物理の方が得意でした。
物理選択者って医学部進学してから生物の知識面でけっこう苦労するの?

うえの

てらだくん

うーん、大変っちゃ大変ですけど、生物選択者も物理の授業が必修であるんで。

生物選択者が大学の物理やる方が大変なんじゃないかなって思うんで、僕個人の感覚としては受験は物理選択でよかったな、って思いますね。

単位も自分の興味に合わせて自由に選択できるの?

うえの

てらだくん

この分野から何単位、っていうおおまかな枠は決まっているんですけど、その範囲では自由に選択できました。

ただてらだくんより下の学年から、色々カリキュラムが変わったみたいで少し事情が違うかもしれないそう。

前期教養課程の授業で特に印象に残っているものは?

うえの

てらだくん

ブランドデザインスタジオっていう講座ですね。博報堂と東大がコラボした講座なんですけど、僕の時は新しい劇場をつくるっていう設定で、そのコンセプトを班ごとに話し合って発表しました。

何それ、めっちゃおもしろそうやん。こんな授業あったら私も受けたかったな。

東京大学×博報堂branddesignstudio

進振りについて

進振りで医学部に進学できないことってあるの?

うえの

てらだくん

学校に来なくなってしまった、とかじゃない限り、大丈夫なんじゃないですかね。
理Ⅲ以外からも医学部に進学できるの?

うえの

てらだくん

はい。数は少ないけど、います。ただ前期教養課程の成績がよくないとだめなんで、そういう人たちはめっちゃ勉強してるし、単位の登録もすっごく考えてしないといけないんで、大変は大変だと思います。

理Ⅲは単位さえ揃えれば、ほぼ医学部に進学できるんだね。

これは理Ⅲに限らない話だけど、1・2年のうちに幅広く色んな事を勉強して、3回生以降で専門的に勉強したいことを決められるのはとってもいいと思った。

ただ、自分はどういうことをやりたいんだろうって積極的に探そうとする姿勢がないと、ただただ時間が過ぎていってしまいそう。

医学部に進学してから

医学部に進学してからのスケジュールはどんな感じなん?

うえの

てらだくん

2年生の後期から医学部の授業が始まって、3年生になると解剖実習があります。

4年生はOSCEとCBTがあって、5年生はほぼ病院実習ですね。6年生になってもけっこうガッツリ実習があって、それと並行して研修先の病院を見学したり国家試験の勉強をする感じになると思います。

MEMO
医学部では東大にかぎらず、病院実習にすすむための条件として、OSCE(実技試験)とCBT(学科試験)の2つの試験に合格していなければなりません。
CBTなぁ。高進でも医学部の学生講師の先生はみんな苦労してる。てらだくんでも大変やった?

うえの

てらだくん

まぁまぁ大変でした。CBTは舐めてかからん方がいいと思います。

CBTって本当に医学部生にとって大変な試験なんだね。まして国家試験ってどんなに大変なんやろう。

大学受験より国家試験の方が大変やっって言う人多いからねー。

あれ、絶望した?

東大生あれこれ

やっぱり東大理Ⅲともなると、すごい人がいっぱいいるの?

うえの

てらだくん

もちろんいますけど、僕は同じ学校から進学した友達も多かったんで、そこまで圧倒される、とかはなかったです。
男女比はどれくらいなん?

うえの

てらだくん

圧倒的に男が多いですね。8:2とかじゃないですか?

今、6人の班で病院実習してるんですけど、全員男です。医学部にかぎらず、全体的に男子が多いと思います。女子は文Ⅲだとちょっと多めで、理Ⅰだと少なめな感じですかね。

なるほど、東大はやっぱり圧倒的に男子学生が多いねんなー。推薦入試の導入とか、本試験の傾向とかに女子学生を採りたいという意図が働いてる、っていわれてるもんね。

部活やサークルについて

部活やサークルは何かやってたん?

うえの

てらだくん

大学の学祭の実行委員をしていました。もう引退したんですけど。
それは医学部の人もけっこういるの?

うえの

てらだくん

全然。先輩にも後輩にもいないんでめずらしがられました。

今思えば、医学部の運動部とかに入っててもよかったかなーとちょっとだけ思います。

それは何でなん?

うえの

てらだくん

やっぱり先輩からのつながりで、試験とか研修先に選ぶ病院と科の情報がまわってきたりもするんで。
なるほど、そういうことか。

でも学祭の実行委員って、てらだくんにすごく合ってるように思うけどな。

うえの

てらだくん

はい。僕もすごく楽しかったし、他学部の人たちと仲良くなれて、今でも付き合いあるし、やっててよかったなって思ってます。
けっこう力を入れて活動してたん?

うえの

てらだくん

はい。実行委員長もしてたんで。だから医学部としての授業がはじまって、引退するまではけっこう両立が大変でしたね。

高校生の時から企画力、調整力にすぐれていたてらだくん。東大の学祭の実行委員長をすることでその能力にますます磨きがかかったんだね。

こういう部活やサークル活動って学生時代しかできないことだから、自分に合ったものが見つけられるといいですね。

バイトについて

ところでバイトとかは?

うえの

てらだくん

僕はしてませんけど、周りはしてる人も多いですよ。
やっぱり家庭教師とか塾講師??

うえの

てらだくん

そうですね。お給料も悪くはないみたいですしね。

東大の理Ⅲもしくは医学部生の自給が他の学部に比べて高いという噂はどうやら本当のよう。

てらだくんはしようとは思わなかったん?

うえの

てらだくん

学祭の実行委員の仕事が忙しかったのと、僕の性格上、めっちゃ面倒見てしまって本業の勉強が絶対おろそかになると思ったんで。
たしかに!そういう人、私いっぱい知ってる。

うえの

本当に責任感が強くて面倒見のいいてらだくん。関西に残っていたら絶対高進で働いてもらいたかったんだけど。

バイトはバイトで、全然違う環境の友達できて楽しいけど、医学部生の場合はやっぱり他の学部の学生より実習や試験がキツいから、両立が大変なようです。

東京での生活について

はじめて一人暮らしして何が一番大変やった?

うえの

てらだくん

生活を回すタイムスケジュールみたいなのがつかめなくて、それだけちょっと大変でした。いつ洗濯機回して干すん?みたいな。

そうやんな。それ分かります。ご飯は意外となんとでもなるし、掃除も自分が最悪ガマンできれば大丈夫。でも洗濯からは逃げられへんもんね。たまってくるし。

東京暮らしはどう?

うえの

てらだくん

楽しいです。やっぱり大阪よりも遊ぶところは多いし、イベントとかも大阪よりたくさんあると思います。

たとえば舞台とかでも東京だったら1か月やってるけど、大阪は4日だけ、とかのことって多いし。そもそも東京でしかやってないものもありますし。

確かにそれはそうかも。コンサートとかファンミーティングみたいなのもやっぱり東京の方が機会は多そう。

逆にこれは大阪の方がいいってところは?

うえの

てらだくん

安くておいしいものは大阪の方が多い気がしますねー。

うん、東京って物価高いよね。私は東京行くたびに思います。

東京が住みにくい、とか関西に帰りたい、とかはない?

うえの

てらだくん

それは全然ないですね。まだ将来どうするかはっきり決めているわけではないんですけど、ぼんやりとは東京に残ろうかな、と思っています。

そうか、もう将来について考えないといけない時期だもんね。

時間が経つのって早いなぁ。将来のことについても少し考えを聞かせてもらいましょう。

将来について

将来は何科のお医者さんになろうとかってもう決めてるの?

うえの

てらだくん

うーん、まだ決まっていないんです。病院実習まわって色々考えてはいるんですけど。
けっこう東大とかだと研究の道を選ぶ人も多そうなイメージやねんけど。そんなことない?

うえの

てらだくん

もちろんいるとは思いますけど、やっぱり臨床から始める人の方が多いんじゃないですかね。

ただ、臨床やっていて途中から研究の方に方向転換した、って話はけっこう聞きます。

そうなんや、研究してたけど臨床に転換しましたって話は聞いたことがあるけど、その逆は私は初めて聞いた。

てらだくんも研究職に関心はあるの?

うえの

てらだくん

僕は人とかかわる方が好きなんで、臨床からスタートしようかなって思ってます。

ただ、経験積んで自分が研究したいことが見つかったりすると、そういう道(=研究職)に進むこともあるかもなって感じですね。

医師と一口に言っても、専門にする診療科や勤務先に選ぶ病院、臨床か研究かなど働き方はさまざまで色んな選択肢があるんやなぁ。

こういう話を聞くと、入試はあくまでもスタート地点に過ぎないんやなって思います。ハードル高すぎるけど。

受験生へのメッセージ

てらだくんって、現役の時にもし落ちてたらどうするつもりやったん?

うえの

てらだくん

僕は後期も東大出したんですけど、それもだめやったら浪人するつもりでした。
じゃあ東大以外は受けなかった?

うえの

てらだくん

はい。私立も防医(=防衛医大)も受けてません。

現役の時は東大1本にしぼりこんでいたてらだくん。もしもの時には浪人しようと覚悟をくくっていたのはどうしてなんでしょう。絶対に東大に行きたかった?

てらだくん

それもそうですけど、もう1年やったらまだ伸ばせると思って。それが大きいですね。

なるほどなぁ。

生徒のみんなの中には、成績が思うように伸びなくて、志望校を諦めるべきかどうか悩む人も多いと思います。

私たち講師の元には、いつまでにどうだったら諦めた方がいいですか、という相談が絶えないんだけど、もちろん諦めることに自分が納得できるかどうかがまず大事。

納得してないのに諦めても後悔が残るしね。

けど、てらだくんの言うように、もう1年やってまだ成績を伸ばせそうかという視点はすごく大事

やってみないと分からない、って言うのも確かにそう。

だけど、そういう強い気持ちとともに、冷静に自分で自分の可能性を判断して、伸ばせると思えるか、という判断基準も重要だと思いました。

いやー、為になるお話を色々ありがとう。わたしも色々考えさせてもらったり、昔のことを振り返るいい機会になったわ。

最後に、てらだくんから受験生のみんなにメッセージをもらいました。

てらだくん

これから寒くなってきますが、体調に気を付けて勉強頑張ってください!

てらだくん、本当にありがとうございました!