入試対策としての漢字の勉強ってみんなあんまりしないんですけど、実はめちゃくちゃ大切です。参考書も一冊用意して対策するに十分値する分野。
というわけで、今日は大学入試において漢字の勉強がどうして大事かということと、おススメの参考書を1冊紹介します。
漢字を勉強する意味
メリット1
現代文対策
漢字は現代文の分野で出題されます。例えば東大、京大、大阪大などの難関国公立大二次試験でも漢字の書き取り問題って出るからね。
難関大の国語の試験においては漢字って本当に貴重な得点源。漢字をおろそかにするのは得策ではないです。
それにさっきも書いたけど、語彙力不足で現代文の本文が理解できてない子がめっちゃ多い。漢字の勉強のついでに意味も併せて確認すれば、読解力アップにもつながるよ。
メリット2
漢文対策
漢字は現代文だけでなく、漢文の勉強にもなるねん。
さてみんなに問題です。
己を是とし人を非とするは俗の通弊なり
これはセンター試験に出題された漢文の一節。どういう意味か分かる?
この文章にはいわゆる重要句形は含まれていません。
ポイントは「是」「非」「俗」「通」「弊」などの漢字の意味、イメージが理解できているか、です。
「是」は「正しいこと」、「非」は「正しくないこと」という意味です。「憲法問題の是非を問う」といった感じで使われますね。
「俗」は「俗世間」の「俗」です。
「通」は「通称」、「通例」などの熟語から分かるように、「一般的、行き渡っている」という意味。
「弊」はこれは分かるよね、「弊害」の「弊」です。
というわけで、先ほど挙げた例文の意味は
人間は自分のことを正しいと思い、他人を間違っていると判断するが、これは世間で一般的に行き渡っているよくない習慣である
となります。
漢文の勉強ってみんな句形の暗記に偏ってしまいがちだけど、漢字の意味を明確にすると本文の理解につながります。
メリット3
他科目の論述にもプラスになる
この後に記しますが、漢字の勉強をすると語彙力が向上するねん。語彙力がつくと、英文和訳や社会の論述など、記述解答の質が格段にあがる。
おススメの参考書
『入試漢字マスター1800+』(河合出版)
漢字の参考書を選ぶ際の基準としては、
- あまり量が多すぎない
- 「書き取り」と「読み」のバランスが良い
- センター試験頻出語がまとめられている
- 語句の意味が書かれている
特に最後の④は重要です。
もちろん私が紹介したものは、上記4つの条件をすべて満たしています。
例えば、
過去のカクシツにとらわれない姿勢が大切だ。
カタカナを漢字に直してください。
確執、ですね。
じゃあ、確執の意味はって聞かれて、ちゃんと言葉で説明できますか??
もちろん何となく、は絶対分かってると思うねん。でも言葉で説明しろって言われたら意外と詰まらへん?
上の参考書では回答の横に「主張を譲らぬことからの不和」と書いてくれています。
私が生徒のみんなの質問を聞いていて思うのは、けっこう言葉の意味をあいまいに解釈しちゃってるな、ということ。
私もうまく単語の言い換えができないことなんてしょっちゅうですけどね。
やっぱりこういう分かったつもりでいるけど、言葉できちんと定義できない言葉を一つずつ潰していくめっちゃ大事です。
もちろん辞書を調べたらいいんですけど、まぁめんどくさいやん。
なので漢字の参考書を選ぶ際は、語句の横に意味が書かれているものを選ぶことをおすすめします。
漢字は一生必要
これは入試からはそれるんですが、みんなにとって重要なのは入試が終わってからの人生です。
私には日本語を勉強中の外国人の知人友人がたくさんいるのですが、「これって何て読むの?」「これ、漢字でどう書くの?」って質問に答えてあげると本当に尊敬の眼差しで見つめられます。
日本人なので書けて当たり前なんやけど、悪い気はしない。てか、むしろめっちゃ嬉しい。
入試が終わると古文単語や漢文句形とはおさらばできるけど、漢字は一生使うもの。生涯の財産にもなるのでしっかりと勉強しておこう。