中学受験の失敗のせいで、受験というものに対して、自分はうまく行かないんじゃないかと思ってしまってる子は意外と多い。
この記事を読んでくれている人のなかにも同じ思いをしたことがある人はいるんじゃないかな。
今回の卒業生インタビューには、受験生にとって非常に大切な、メンタルの持ち方のエッセンスが凝縮されています。
中学受験の失敗があったからこそ、大学受験をうまく乗り越えられた。
初めは神大志望だったのに、最終的に阪大に合格した卒業生に話を聞いてきました。
当初の志望校は神大
今回インタビューさせてもらったのは、高3の春期講習から私の授業を受けてくれていた小屋さん。
うえの
小屋さん
高1の時から数学の個別だけ高進に通ってたんですけど、最初の面談で正井さん(=個別担当スタッフ)に、神大に行きたいなら阪大を目指すつもりで勉強しようってアドバイスしてもらいました。
確かに阪大と神大は難度に差はあれど、受験に必要な教科も同じだしね。
しかし、そのままほんまに阪大行ってしまう人はなかなかおらんで。すごいな!
小屋さん
小屋さん
だから、正井さんのアドバイスは確かにそうやな、って納得できたので、とりあえず阪大を目指すことにしました。
うえの
小屋さん
こんな風に考える受験生は多いんだけど、この考え方で本当に合格できる受験生ってめったにいないねん。
何でかっていうと、私も含めて人間は自分に甘いから。
日々のしんどい受験勉強の中で、神大行けたらいいかなぁっていう心の声がどんどん大きくなってしまうものなんです。
なのに小屋さんは阪大に合格した。これって本当にすごいこと。
合格のための重要な心の持ち方、考え方が小屋さんの中にあると確信した瞬間でした。
中学受験の失敗
小屋さんとは毎週の授業と、添削のやり取りで話す機会がかなり多かったんだけど、中学受験の話はこの日初めて聞きました。
小屋さん
うえの
小屋さん
第一志望校だった超進学校に比べて、小屋さんの通っていた中学・高校は少しのんびりした雰囲気。
小屋さん
部活やキスマイのコンサートにも全力投球し、とっても楽しい高校生活を送った小屋さん。
学校の勉強に余裕があったから、ある程度の成績を維持しながら部活や趣味にも時間を使うことができたんだね。
定期テストについて
現役生の場合、受験勉強と同時に定期テストの勉強もしないといけないから、本当に大変です。
小屋さんの場合は、定期テストにはどのように取り組んでいたのでしょうか?
小屋さん
うえの
中学受験の余力で楽だった部分はあるかもしれないけど、絶対勉強しないと点数とれない教科ってあるからね。
小屋さん
みんなの中には、学校の定期テストは頑張っているのに、なかなか模試で結果がでなくて心配だ、って人もいるよね。
確かに定期テストと入試は違う。
でも、定期テストのためにした勉強は、大学入試において絶対に無駄になりません。
みんなも嫌になるほど聞かされてきた言葉だと思うけど、勉強は基礎が大切。
入試問題が解けない原因のほとんどは、基礎知識の不足が原因やねん。
定期テストの勉強をしっかりして基礎が入っている人は、成績が伸びやすい。
何より、小屋さんのように勉強の習慣がついている子が多いので、スムーズに受験勉強に移行しやすいんです。
それから私は小屋さんの話を聞いて思いました。結局は自分次第なんだなって。
中学受験に合格しても、そこで気抜けちゃって遊び呆けてしまう人はたくさんいます。
また、行きたい学校に受からなかったからって、やる気をなくして勉強しなくなっちゃう人もいるでしょう。
中学受験に合格してもしなくても、勉強しない人はしないんです。
今の自分が目標のために努力できていないことと、過去の失敗は全く別問題なんですよね。
高2までにやっておいてよかったこと
うえの
小屋さん
ものすごく得意な教科もなかったんですけど。
これ、私がインタビューさせてもらった子がみんな口をそろえて言います。
極端な苦手教科を作らないことが大事だと。
特に英語や数学のどちらかに強い苦手意識があると、苦戦を強いられます。
英語や数学に関しては、絶対にほったらかしにしたらあかんよ。
うえの
小屋さん
数学はもともとはあんまり得意じゃなくて、自分は絶対に個別の方が合うな、って思ってたんです。
うえの
小屋さん
数IIBはやはりIAと比べて難しく、苦手と不安が溜まり始めていたので、高2の冬頃までは数IIBを中心に、徹底的に教科書レベルの基礎を叩き込みました。
井村先生
やっぱり基礎を高2の間までに固めていたのは大きいアドバンテージだよね。
すごく感心したのは、もともと苦手科目がなかったわけではなくて、自分の苦手を早いうちから認識して早めに手を打っていたこと。
苦手なことってやりたくないことだからどうしても後回しにしちゃうんだけど、ちゃんと自分に合う勉強スタイルを確立することが大事だからね。
うえの
小屋さん
井村先生
うえの
小屋さん
個別の授業ある日、学校終わってから塾行くまでの電車の中で詰め込んだだけなんで、すぐに忘れちゃうんですけど。
小屋さん
それはそう!けっこう憶えられへん~って泣きついてくる子が多いんやけど、忘れてる=覚えてないじゃないからね。
めげずに反復して暗記作業に取り組むことで、確実に記憶には定着していくもの。
英語でも古文でも、単語の暗記といった基礎知識のインプットは高2の間に終わらせておくと、あとが楽です。
高2の時にやっておけばよかったこと
部活や趣味にも全力投球しながら、定期テストの勉強や苦手科目の克服もおろそかにせず、きちんと取り組んできた小屋さん。
とても模範的な受験生だったと思うけど、逆に、高2の時にやっておけばよかったことってあるんでしょうか。
小屋さん
理科と社会はあんまりちゃんと学校の授業を聞いてなくて、高3になってから苦労しました。
確かに暗記科目やし、どうせ覚えるだけやんって思うけど、それぞれの科目の全体像くらいはつかんでおいた方がいい。
小屋さん
そういう面白い授業してくれる先生がいたんやったら、もっとちゃんと聞いといたらよかったなって、それはちょっと後悔してます。
理科や社会って、その教科に興味持てるかどうかが成績に大きく影響します。
高3になってもなかなか手が回らない教科だから、なるべく学校の授業をきちんと聞いておく方があとあと自分のためになりそうですね。
受験はメンタル!
最初はそれほど志望校に強いこだわりがなかった小屋さん。
でも高3になって受験勉強をすすめるうちに、心境に変化があったようで…。
小屋さん
途中から成績的にも阪大行けるかもって感じになって来て、そしたら絶対阪大がいいなっていう風に思うようになりました。
先ほども言いましたが、人間って弱いねん。
神大行きたいけど、とりあえず阪大目指しておこう。
そう思って勉強してても、心の片隅では自分の本当の志望校は神大、って絶対に認識してる。
だから模試が悪かった時なんかに、「別に神大行けたらいいんやし、大丈夫」っていう気持ちが生まれてしまうねん。
そしたら、どうなると思う?
神大にも合格できなくなる。
実は小屋さん、センター試験の結果が決して悪かったわけではなかったんだけど、阪大に出願する上でめちゃくちゃ余裕があるわけでもなかったんです。
でも全くぶれなかった。
「神大に行けたらいいかな」っていう当初のままの小屋さんなら、安全策をとって神大に出願していたかもしれません。
受験って本当に酷なところがあって、がんばればがんばるほど、「もし落ちたら」っていう恐怖も強くなるもの。
そういう時に信じられるのは、親でも学校や塾の先生でもない。
自分の努力だけなんです。
再び、小屋さんの個別を担当した井村先生の登場です。
井村先生
本当にそう。私も国語の課題をたくさん出したんだけど、小屋さんが期日までにやって来なかったことは本当に1回もなかった。
過去は変えられない
みんなの中にも、中学受験で第一志望の大学に合格できなかったって人はいるかもしれません。
努力が報われないことほどつらいことはないからね。
でも、それをどう受け止めるか、今から何をするかで、いくらでもその意味を変えることはできると思います。
あと残り数カ月しかない高3・高卒生も、そろそろ受験モードになってきた高2生も、今までできなかったことを悔やむのではなく、今の自分にできることだけ考えていこう。
次回は、阪大合格のための具体的な勉強法についてです。
特に日本史の勉強法がとっても参考になると思うよ!
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