2018年のセンター試験が終わりました。受験生のみなさん、同日模試を受けた高2生のみなさん、本当にお疲れさまでした。
昨年(2017年)のセンター試験よりは、少しだけ易化したかなーと感じました。
そんなに難度が上がることはないと予想していたし、授業でもそう言っていたんやけど、やっぱりそうやった。
うえの
今年の試験が終わったので、あと2回になってしまった訳だけど、たぶん最後まで難易度に関してはこのレベルを維持していくのではないかと思います。
平均点は110点を少し切るくらいかなー。
では、大問ごとに見て行くね。
うえの
第1問 評論
まず難度としては、去年よりは少し簡単になったかな。ほんの少し。
ただ、20分で解かなければいけないという時間的制約を含めて考えると、決して易しい問題ではなかったと思います。
うえの
小問別の難易度はこんな感じ。(★が多いほど難しい)
まず問1の漢字はけっこう易しめだったので、これは全問正解を狙いたいところ。
問2は絶対取ってほしかった問題。内容自体も理解しやすかったと思うし、該当箇所も傍線部を含む段落をみればOKだったからね。
次は問3。
うえの
たまーにこういう生徒同士の議論が選択肢になった問題が出ますが、みんな設問の「本文の内容をふまえて」という指示をふまえていた?
設問の生徒同士の会話だけでなく、10~13段落までの本文の内容をちゃんと対応させて考えられていたかがポイント。
うえの
問4は、ちょっと選択肢を切るのに苦労したんじゃないかな。選択肢も長かったしね。このあたりから少しずつ本文の内容が難しくなって行きます。
問5は設問自体はそんな難しくなかったんだけど、本文の内容をとれなくて焦ってしまった人がいるのでは?
傍線部の直後を見れば答えは出せたし、該当箇所もそんなに広範にわたるものではなかったからね。
うえの
最後に問6。
まず(ⅰ)は「適当でないもの」を選ばせ、(ⅱ)は「適当なもの」を選ばせる問題。
うえの
特に(ⅰ)は残り時間がどれだけあったか、が分かれ目になったと思います。
選択肢で指摘している箇所を1つずつ見ないと解けないからね。
(ⅱ)は比較的カンタンだったかな。
本文の意味が分からなくなってもパニックにならず、傍線部の前後と、選択肢を対応させて答えを導こう。
あと時間的な注意が最も必要なのが評論です。深みにはまりそうな切れない選択肢は、思い切ってエイッ!て選んで、次に進む勇気も必要です。
第2問 小説
小説は2017年よりは易化したかなとは思ってんけど、みんな苦戦してましたね。
今年は現代小説だったので、読み易くはなってんけど、選択肢がややこしかった。
うえの
小問別の難易度はこんな感じ。(★が多いほど難しい)
今年の問1は良心的な問題でした。全て辞書的な意味だったし、文脈からも比較的判断しやすかったと思う。
うえの
問2は、選択肢間の差異ははっきりしてたんやけど、本文該当箇所をどこに取るかが難しかったかもしれません。
傍線部の「苦笑」と、直前にある郁子の心情文に注目して、選択肢を選ぶ必要がありました。
問3は、傍線部直後の「面食らいながら」という描写に注目してしまった人が多いのではないかな。
設問には「この出来事をきっかけとした郁子の心の動き」とあります。
これをきっかけに郁子が30年前の回想にふけっていること、そして本文が全体的に亡き夫への思いを描いたものであることに注目して、積極法で選択肢を判断する必要がありました。
うえの
問4に関しては傍線部直前の段落を見れば、答えは出せたよ。
さて問5。これはけっこう難しかったですね。
うえの
問6は時間との闘いやったかなと思います。選択肢が指摘する箇所を1つずつ見て行かなければならない問題ですからね。
ただ、本文読解にそこまで時間がかかる問題ではなかったとは思うし、選択肢もそこまで紛らわしいものではありませんでした。
現代文では消去法だけでなく、積極法も併用することが大切です。
また評論のように、はっきりと「ここが該当箇所です」って分かりやすくは書いていないので、設問と傍線部そのものをよく読んで、対応箇所を見つける練習が必要やで。
第3問 古文
やっぱり江戸時代の文章が出ましたね。ここ数年は中世の物語が続いていたので今年は近世の評論や随筆が出ると思っていました。
本居の文章のなので、論理的で読みやすく、設問の何度もそれほど高くはなかったよ。
ただ歌論とあって、とっつきづらいと感じた人はいるかもしれませんね。
うえの
小問別の難易度はこんな感じ。(★が多いほど難しい)
(ア)は「あながちなり」の意味と文脈で答えが出ます。
うえの
問1の中では(イ)が一番難しかったね。
うえの
(ウ)は簡単。「さらに+打消表現」と超重要形容詞「なつかし」の意味を問うものでした。
うえの
問2の文法はちょっと新しい形式でしたね。従来の組み合わせの選択肢に比べると、すこし難度が上がったとは思うけど、それでも聞いていることは基礎的な文法知識ばかり。
うえの
問3は非常に簡単。リード文には本文が作者の見解を問答形式で述べたものだと書いてあるので、該当箇所が傍線部の後にあることは明確です。
うえの
問3は絶対に正解してほしい問題でした。
問4は該当箇所が少し長かったね。ただ傍線部の直後ではあったし、選択肢も紛らわしいものはなかったので、これもそこまで難しい問題ではなかったと思います。
うえの
問5は傍線部の無い設問でしたが、設問に「時代による違い」と明確に書いてあったので、本文該当箇所を見つけることはできたと思います。
また、本文全体の内容をふまえて解かなければならない問題でもなかったことから、これもやはり正解してほしい問題でした。
最後は問6。これはちょっと選択肢が選びにくかったかも。
うえの
これに関しては、比較検討してよりベターなものを選ぶしかない。
うえの
古文はとにかく直訳する力がキーになる!単語に加え、文法も得点源になるので高2生はしっかり勉強しておきましょう。
第4問 漢文
昨年に比べ、もっとも分かりやすく易化したのが漢文だと思います。
主旨のとりづらかった昨年の問題に比べ、非常に分かりやすい文章でした。
小問別の難易度はこんな感じ。(★が多いほど難しい)
まず問1はXだけで答えは決まります。Xの意味が「論評する」であることは、直後のやり取りを見たら簡単に分かるよ。
あとYの「沢」が「恩恵を施す」という意味であることは知っておいてほしい。前も一度センター試験で出題されました。
問2のⅠはすごく単純な設問でしたが、選択肢を見てちょっと迷ったかも。
答えを決定するには問6まで見なければならないのですが、こういう時はいったん答えを選んでしまって、先に進みましょう。
うえの
問2のⅡは、寇準の為政者としての器量が話の論点であることをふまえる必要がありました。
問3は、書き下し文としては近年めずらしいくらいに簡単な問題だったと思います。
うえの
問4は直前の注釈、「君臣の関係が極めて良好である」という記述に着目できていたかが決め手。
うえの
問5も問4に付随する問題でしたね。
問4が分かっていなければ、問5もちょっと難しかったかもしれません。
うえの
問6は簡単。傍線部を含む1文が直訳できれば答えは出ます。
うえの
来年はもう少し難しくなることも想定しておいた方がいいかもしれません。
受験生のみんなへ
本当にお疲れさまでした。みんなが無事に目標点をとってくれたことを願うばかりです。
もし、思ったような結果が出なくても絶対に諦めたらあかんで。センターでビハインドをとりながらも、その年に志望校に合格した先輩をたくさん知っています。
理系の人の場合は、私が相談に乗れることはあんまりないかもしれませんが、それでもみんなの合格を最後まで応援しています。
二次試験で国語がいる人、これから勉強法の記事もどんどん更新していきくよ!!
うえの
高2生のみんなへ
センター同日を受けた人、お疲れさまでした。
高2生のみんなはいよいよ受験年度の0学期に突入ですね。
うえの
3学期からは国語の授業も始まります。
当ブログでは近日中に、今年のセンター試験の内容を見据えた次年度の対策について記事にする予定だから、ぜひ読んでね。
志望校に出願する上で、非常に大切なセンター国語。しっかり得点力をつけて行きましょう!
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うえの