講師インタビュー②岸本尚明先生(数学科)

前回、保木本先生が指名してくれたのは数学科の岸本先生。

思えばきっしーとは本当に長い付き合いです。私が初めてきっしーに会ったのは、高校3年生の時。かれこれ19年も前のことやわ。

岸本先生

うえのが生徒の時って、俺まだ学生やったよな?

うん、そうやったと思う。卒論書かず逃亡するからって、きっしー研究室の教授に軟禁されてたもん。

まどかマギカと私

今回きっしーを指名してくれた保木本先生から、

保木本先生

きっしー、いつ見てもずっと携帯で「まどかマギカ」のゲームやってるんですけど、何がそんなに面白いんですか。

っていう質問があるんやけど…。

岸本先生

まぁ、もはや惰性やな。

惰性なんかーい!

私ふだん全然ゲームをしないから分かんないんだけど、「まどかマギカ」っていうのはもともとはアニメなんやんんな?魔法使いの話?

岸本先生

そう!魔法少女。

で、きっしーのハマっているゲームはアニメのキャラである魔法少女たちを敵と戦わせていくことで強くしていくものらしいんだけど…

岸本先生

俺の育てた魔法少女、全員全教科偏差値75くらいあるからどの戦いでも勝ててしまうんや。

何でも今まで育てて来た魔法少女を捨てるにはしのびなく、惰性で戦いに挑み続けているらしい。ほんま時間の無駄やん!

岸本先生

そういうことや!だから生徒には俺みたいになってほしくないねん。

ほんまや!レベルが100/100でマックスになってる!しかも画面下にいる控えの魔法少女たちも軒並みレベルマックス!!!

岸本先生

でも「まどかマギカ」のアニメはほんまに面白いで。これは書いといて。うえのも絶対面白いと思うはずやから。

そうやな、刑務所とかに入れられて時間ができたら見てみようかな。

受験を振り返って

もともと医学部志望だったというきっしー、受験生時代の話を聞いてみました。

岸本先生

何を隠そう、俺の現役の時のセンターの英語は68点やからな。

・・・\(^o^)/

あ、そっか。きっしーの時ってまだセンターの英語100点満点やったもんな!

岸本先生

…ではない、な…。

そうやな。センターの英語は今も昔も永遠に200点満点やわ。68点はなかなかインパクトのある数字です。

岸本先生

まぁ浪人してセンター8割までは行ったけど、二次が壊滅的やってん。

間違いなく英語が敗因だったと断言するきっしー。この自分の経験が今、生徒を指導する上でのベースになっているんだとか。

もちろん今こんな風に数学を教えているくらいだから、受験生の時から数学は得意教科。

岸本先生

理科も得意やったし、日本史も好きやから常に9割あったし。あと俺、国語できてん。

確かに国語と社会デキるのは医学部受験においてはだいぶアドバンテージ。

岸本先生

だから英語1科目くらいはカバーできると思ってたんや、当時の俺は。

なるほど…。それは思っちゃうよな。

何か一つ抜きんでた得意教科を持ってる子って、苦手科目をそれでカバーしようとしちゃうねん。

もちろん結果的にカバーできることは多いと思う。けど、絶対に苦手科目の穴を埋めようとする努力を怠ったらダメなんです。

受験生としての自分はつくづく甘かったと話すきっしー。

岸本先生

保木本が、俺が生徒を厳しく叱れる点を評価して言ってくれてたやんか?

そうやね、すごく生徒への愛を感じるって言ってたし、私もそう思う。

岸本先生

もちろん生徒への思いはあるよ。ただ俺としては、昔の自分みたいになるなっていう気持ちが強いねん。

苦手なものから逃げて、得意教科だけで何とか楽に、目の前のしんどいことを乗り切ろうとしていたかつての自分。

自分にもそんな時があったからこそ、同じような考え方をしている生徒はすぐ分かると岸本先生は言います。

岸本先生

俺もそうやったから分かるけど、特に国公立の医学部に行こうと思ったら、圧倒的にヤバい苦手科目は絶対につぶして行かんと受からんからな。

本当にその通りだと思います。仮に苦手を完全に克服することができなくても、捨ててしまうのは絶対にダメだから。

昔の自分みたいになってほしくない。きっしーが生徒のみんなに接する時の根本的な思いはそこにあるようです。

高進が自分を成長させてくれた

1浪後、工学部に進学し、大学生になったきっしー。大学の友達と一緒に高進の講師採用面接を受けましたが、採用されたのはきっしーだけだったんだって。

私もそうだけど、講師になったばっかりの頃ってすっごく苦労しなかった?

岸本先生

俺は人前で話すことや生徒とコミュニケーションをとるのは得意やったからか、初めて担当した授業の評価ものすごい高かってん。

そうなんや、それはすごい!じゃあ新人時代からけっこう順調な感じで今まで来たん?

岸本先生

ところがや。その次の学年で初めて高3持たせてもらって、始めは良かったんやけど、アンケートもクラスの人数もどんどん減って行って…

なんと2学期から講座の担当を外されてしまったというきっしー。それはショックやなぁ。

でもさ、3年生になったからって何でいきなりそんなことになってしまったん?

岸本先生

今思えばこれも当時の俺はナメてたんやと思う。

岸本先生

得意教科の数学で、講師としての評価も同期の他の講師より高かったし、驕ってる部分があったと思うわ。

受験生の生徒を教えるには問題を解く経験値も圧倒的に不足していたし、生徒に説明するアプローチの研究も全然できていなかったときっしーは振り返ります。

その時のアンケートの数字や、減ったクラスの人数まで事細かに覚えて語ってくれました。

岸本先生

めちゃくちゃショックやったからな…。今でも忘れられへんわ。

でもさ、それまでのきっしーやったら、「もうやーめた」ってなっててもおかしくないやん?

何でそうならんかったの?

岸本先生

ほんまやな。当時の俺は我ながらクズやったからな…。

岸本先生

でも辞めるっていう選択肢は全くなくて、何とかして返り咲いてやる、としか考えてなかったわ。

そこからどういう挽回していったん?

岸本先生

とにかく先輩の先生の授業を見学させてもらった。あと中ちゃんにも授業のすすめ方とか、めちゃくちゃ教えてもらったわ。

中谷先生にはこれまで何回も怒られたのだそうです。中でも一番記憶に残っているのが、きっしーが「眠い」だか「だるい」だかそんなことを生徒の前で何気なく言った時。

岸本先生

お前そんなこと言って誰に何のメリットあるねんって。自分が共感してもらいたいだけで、そんな周りの士気下げるようなこと言って、むしろお前の評価下げるぞって。

岸本先生

めちゃくちゃ怒られた。でもほんまやなーって。それまで俺にそんなこと言って怒ってくれる人おらんかったから。

それ以来、そんなことは絶対に口にしないと決めたそうです。確かにきっしーからそういう愚痴っぽいことは聞いたことないわ。中谷先生からも。

岸本先生

俺みたいなやつには絶対そんな風に厳しく怒ってくれる人が必要やねん。

岸本先生

俺はだいぶ時間かかってしまったから、生徒のみんなにはやっぱり若い時の貴重な時間を無駄にしてほしくないっていうのはほんまに思うな。

前回のインタビューで保木本先生も言ってたけど、生徒を叱ることってすごく難しくって、私もいまだにあれでよかったのかなって悩むことがしょっちゅうあります。

私だけじゃなくて、他の先生もそうじゃないかなって思うんやけど、今までただの1回も「きっしーにこんなん言われた―」って怒ったり悲しんだりしてる生徒って見たことないねん。

私はそんな思いさせたことが何回もあると思う。だから、きっしーがすごいっていう保木本先生の言うことはすごくよく分かるんです。

きっしーは、上から目線で生徒のみんなを否定しているわけじゃないねん。そしてそのことが、生徒のみんなにもちゃんと伝わってるんやなと思ったよ。

大手予備校と高進

そう言えば、かつて超有名大手予備校に出講していたきっしー。ズバリ聞くけどなんで辞めたん?

というのも、きっしーは大手予備校でもすごく授業の評価が高くて人気だったって聞いたことあるんだよね。

岸本先生

別に不満があってって辞めた訳ちゃうんやけど、ちょうどその時MEDiCができて、集中しよかなって。

私も予備校に出講してたことがあって、けっこう私は予備校での授業がぎっしり詰まった生活がけっこうしんどくなってしまったんやけど…。

きっしーはそんなことなかった?

岸本先生

俺は別にしんどい、とかはなかったけど、うえのの言いたいことも分かるで。

岸本先生

予備校の授業って俺らができることって授業しかないやん?高進やMEDiCはそうじゃなくて、生徒のためにできることが色々あるからおもしろいっていうのはあるな。

そう!きっしーは授業だけじゃなくって、高進のビラ配りや各種のイベント・ガイダンスにも全力で取り組んでいて、私はきっしーのそういう所をとても尊敬しています。

あと講師の遠足「あばれ食い」や私のブログの企画にもすっごく協力的で、生徒へのメッセージなんかも必ずすぐに送ってくれるもんね。

岸本先生

やっぱり高進が楽しいところやって言うことをみんなに分かってほしいっていうのはいつも思ってる。

岸本先生

うえののブログ見た生徒が、先生たち楽しそうやなーって言ってるの聞いたらうれしいもんな。

楽しくはない受験勉強。逃げずに向き合わなければならないこともいっぱいあるけど、生徒のみんなが高進やMEDiCを選んでくれた以上は、楽しく過ごしてほしいと語る岸本先生。

私は高進の卒業生でもあるから、生徒として高進で過ごした楽しさも、講師として働く楽しさも両方知っています。

どちらの立場としても思うのは、高進はとにかく生徒との距離が近いってこと。

卒業生のみんなも高進のいい点としてよく挙げてくれるけど、私たち講師にとっても生徒との距離が近いことはものすごくモチベーションになるんです。

岸本先生

やっぱり生徒の子らにどんな授業が必要かっていうのは、直接見てる俺たち講師が一番分かってると思うねん。

岸本先生

それをすぐ形にしていけるっていうのは他にはない高進のよさやと思うわ。

うん、全く同感。

「こんなことやってみたらどうかな〜?」って思ったことを形にすれば、試してみる機会を与えてくれる高進って働いている私たち講師にとてもすごく楽しい塾やねん。

高進を語る言葉としては本当にありきたりだけど、「生徒との距離が近い」。

私より長く高進で働いているきっしーにとっても、やっぱり最大の魅力はそこなんですね。

もし講師以外のことをするなら

あと保木本先生にも聞いたけど、

もし、講師以外の仕事をするなら何がしたい?

やっぱり医学部目指してたし、お医者さん?

岸本先生

ユーチューバーやな。

え?ユーチューバーなん?

岸本先生

俺、絶対イケると思うねん。

なんやろう、確かにそれは私もイケるような気がするな…。こんな感じ?

再生ボタンを押そうとしてしまった人がいれば、教えてください。きっしーがユーチューバーデビューする日が近いかもしれません。

次回のインタビューは

じゃあきっしー、次回のインタビューは誰にお願いしましょうか。

岸本先生

もうこれだけはちゃんと考えて来たよ。

岸本先生

ザキです。

数学科の山崎先生ですね。分かりました!ちなみにザッキーを指名してくれた理由は?

岸本先生

やっぱり同じ数学科の講師やから新人の時からずっと見てるけど、俺、ザキはすごく成長したなって思うねん。その成長の理由をザキ自身の言葉でぜひ聞いてみたいなって思って。

岸本先生

それに今は誰が見ても押しも押されぬ学生講師のリーダーやし、卒業する前にぜひインタビューしてきてほしい。

それは間違いないね!

というわけで、次回は山崎先生にお願いしたいと思います☆

付き合いが長い分、他の先生とはできないような昔の話もできて本当に楽しかった。何より、いつもくだらない話しかしないきっしーの講師としての熱い想いを聞かせてもらえたのは、私にとっても大きな学びになったよ。

岸本先生、本当にありがとうございました☆次回の山崎先生のインタビュー記事は7月上旬の公開を予定しています!