記念すべき第1回共通テストが終わりました。まずは受験生のみなさん、本当に本当にお疲れさまでした。
国語の問題を解いてみて、私が感じたことを簡単にまとめると次の通りです。
- 古典(特に古文)が難しかった
- 評論は拍子抜けするくらい簡単だった
- 小説はセンターと特に変化はなし
- 総合的にセンターから大きな変化はない
- しかし去年よりは難化
- 古典をちゃんと対策したものが勝つ!
では以下、順番に詳しく見ていきたいと思います。
古典が難しかった
総合的な印象として思ったのは、古典、特に古文難しいやんってこと。てか、試行テストより難しくなってるやん、確実に!
ただ、良問は良問やねん。ぶっとんだ問題もなければ、変に紛らわしい選択肢もなく、古文を忠実に読むことさえできれば解ける問題ばかり。
私が想定していたよりは難しかったけど、古文はこの難度で来年以降もしばらくは継続するのかなって感じです。
ただ一つ思うのは、もしかしたら来年は古文の文章が2題になるかもってこと。
古文の場合も同じ話や人物がいろんな作品に重複して出てくることが多いので、文章を2つにして問題を構成することはそんなに難しくないねん。
たぶん古文と漢文の両方を文章2つにすると時間的に大変なことになるので、今年は漢文が2つやったから、来年は古文が2つに。これは非常にありえると思います。
あと、個人的に注目したいのは古文で文法の単独問題がなくなったこと。これは私も想定していて、やっぱりなくなったかー、って感じ。
センター試験ではたった1問だけだけど必ず出題されていたので、けっこう大きな変化だと考えています。
ここでなくしたということは、古典文法の単独問題は来年以降も出題されないんじゃないかと思っています。
拍子抜けした評論
いやー、共通テストで何より警戒してたのが第1問の評論やってんけどさ…、何も変わっとらんやないか!
確かに生徒がノートをまとめる問5はちょっと目新しい感あったけど、センターの時から本文の構成を問う問題あったし、選択肢の作り方を変えただけやん。しかも、選択肢も選びやすくなってるし。
問題自体はちょっと簡単すぎん?とは思ったけど、文章自体も適度に受験生にもとっつきやすい話題で良問だったと思います。
ただ、記述式を導入するか否かに始まり、さんざん受験生および受験関係者を惑わしておいて、結局そこに落ち着くんかいって思った。
まぁ血迷って変な方向に進まれるよりは全然いいねんけど、受験業界で長年お世話になっている身としては、不安でおびえていた受験生と、教材作成に奔走された関係者の方々に同情を禁じえない。
たぶん、いっぱい批判とかあって結局元の形に落ち着いたんやろうな…。
小説はまさにセンター試験
小説に関しては、まさにセンター試験そのものだったと思います。
最後の新聞の批評記事みたいなんに、新傾向ですよってアピールする涙ぐましい努力が見られるけど、どんな文章でも作れる設問ではないし、常態化することもなさそう。
というわけで、小説には特段新しい変化はないんだけど、評論よりは難しかったんじゃないかと思います。
これはセンターの時から言ってることやねんけど、戦前の文章に苦戦する子が多いねん。その理由は、言葉の定義と社会通念の違い。
今回小説で出題された文章は1918年に発表されたものでした。100年も前やで、もはや古典じゃない!?
そうやねん、大げさに言うと古文単語とか古文常識とか分かってないと解けないように、言葉の辞書的な定義を正確に知っていないと選べない選択肢だとか、当時の世情を考慮しないと理解できない登場人物の心情があるってこと。
現代の感覚でふわーっと解いてると間違えます。ちゃんと言葉の意味を辞書で確認し、本文に解答根拠を見つけて選択肢を選ぶようにしましょう。
全体的な印象
結論として、センター試験からそんなに大きな変化はなかったように思います。そして良問だったと思う。
これまでに実施された試行テストの中には「え?こんなんになるん?」って眉をひそめたものもあったけど、いいところに落ち着いてくれたと思います。
若干見受けられたマイナーチェンジについても個人的にはよい変化だったという印象を受けました。
全体の難易度について私の印象を記しておきます。
昨年の最後のセンター試験と比べて評論は易化、小説は同じくらい。古文は難化、漢文もやや難化。総合的なレベルもやや難化というところかな。
思っていたより傾向の変化が少なかったとは言え、総合評価をやや難としたのは、資料や二つの文章を読み合わせないといけないことだったり、設問数も少し増えたので、それに伴う処理時間を考慮したからです。
このテストで高得点を取れた生徒は十分国語力があって、勉強もしっかりしたと判断していいと思います。
なので、もうこれ以上受験生を戸惑わせることなく、このクオリティを維持して良問作成に励んでいただきたい。って何様やねん、わたし。
古典分野の対策がキー
これからの受験生にとっては古典分野の対策がキーになると思います。
試行テストの傾向から、古文はセンター試験以上に単語力が大事になると予想していたんだけど、それはその通りになりました。
文脈だけで判断できる問題はほぼなく、ちゃんと単語帳で単語を覚えるという地道な作業を積み重ねた受験生だけが高得点を取れるようになっています。
漢文にしてもそう。めちゃくちゃ長い漢詩と文章の組み合わせに戸惑った人も多かったかもしれないけど、漢字の意味や、構文の知識、漢詩の押韻のルールなどをちゃんと勉強していれば、それほど難しい問題ではありませんでした。
次の記事に今から始める古典の対策をまとめますので、そちらを確認し来年の共通テストに今から備えましょう。
今年共通テストを受験したみなさんへ
自己採点した後は出願校を決めて二次試験に向けて頑張るのみ!
なので、この記事を読んでくれている人の中には今回共通テストを受けた人はあまりいないかもしれませんが、それでも言わせてください。
大規模な試験制度の改革があり、初めての共通テストというだけでも大きな不安があったのに、それに加えてコロナ…。
緊急事態宣言とともに新学期を迎え、塾や学校の授業を受けるにしても制限が多く、例年よりもかなり体調管理に神経を使わないといけない状況下での受験。本当によくがんばりました。まだ受験が終わったわけではないけど、みんなを労わずにはいられません。
そんな中、しっかり今の自分のベストを出し切ってきたみなさん、本当によくがんばりました。このまま二次試験に向かって爆走してください。
そして、もしかしたら中には思うような結果を出せずに落ち込んでいる人もいるんじゃないかと思います。
評論はカンタンやったでーとか言っちゃって、評論の点数がよくなかった人の傷を抉ってしまったかもしれません。本当にごめんなさい。
国語の場合は簡単な問題でも深読みしちゃったり、極度の緊張状態の中でいつもだったら絶対選ばないような選択肢を選んでしまったりするものやねん。
国語に限らず、解けるはずだった問題が解けなかった悔しさは本当に辛いし、絶望したくなると思うけど、でもそれで受験が終わるわけではないのです。
センター試験の失点を二次で挽回し、見事志望校合格を果たした生徒たちをこれまでに何度も見てきました。
ここからが正念場です。
この投稿をInstagramで見る
体調管理に気を付けて、二次試験まで強い気持ちを持ち続けてね!
二次試験で国語が必要な人、二次試験までの勉強の進め方をまとめたのでよかったら参考にしてください。
