受験生さん
これ、受験生のみなさんからとってもよくもらう質問です。確かに気になるよね。というわけで、今日は国公立大の二次試験で何点とれば合格できるのかについてお話ししたいと思います。
国語の二次試験で必要な点数
大学によっても、あるいは年によっても難度は違うので一概には「何点とればいい」とは言えません。
でもあえて何点かと言うと、
満点の半分。
それが合格のために必要な点数です。
東大・京大をはじめとする多くの国公立大学では、入試での得点結果を受験者本人の求めに応じて開示しています。
ちょうどこの時期に開示が行われるんだけど、今年もたくさんの卒業生が「国語〇〇点でした~」という報告をくれました。卒業生のみんな、ほんとにありがとう!!
で、教えてくれた国語の点数を見てみると、やっぱり合格者は満点の半分くらいの点数を取ってるねん。かなりよくできた子で6割、という感じ。これは毎年変わりません。
うえの
そのためには何が必要か
では、二次試験で合格基準に達するような点数をとるためには一体何をすればよいのでしょうか。以下、私が重要だと思う順に書いていきます。
①基礎知識を入れる【おすすめ教材】
先日、国公立クラスで古典文法の小問集合と読解問題1題のテストをしたんです。
採点したら案の定、文法問題の点数と読解問題の点数ってほぼ比例する結果になってた。
毎年思うことだけど、成績がいい子は本当に基本がよくできています。古文単語や文法など、コツコツとした暗記を絶対におろそかにしていないねん。
受験生くん
私の経験上、そんな風に聞いてくる子の9割以上が基礎知識の積み上げができていません。
単語を覚えれば、文章が読めるようになる。文が読めるようになれば、答案も多少は書けるようになるし、文法が分かっていれば現代語訳の点数が上がるんです。
どんな科目も基礎知識がなければ、成績を上げていくことはできません。
今から各分野のおすすめ教材を紹介するので、受験年度の夏までは基礎知識の習得に徹してください。
現代文
『入試現代文へのアクセス‐基本編』(河合出版)
古文
『古文上達‐基礎編』(Z会出版)
この問題集については、こちらの記事も参考にしてください。
[kanrenc id=”1307″]漢文
『ステップアップノート10‐漢文句形ドリルと演習』(河合出版)
この問題集については、こちらの記事も参考にしてください。
[kanrenc id=”3699″]②添削指導を受ける
基礎知識を入れたあとは、しっかり実践的な問題を解いていきたい。大事なのは「どんな問題集を解くのか」ではなく、解いたあと。
自分の答案をちゃんと添削してもらっていますか?
基礎知識をきちんと入れた後であれば、私は問題演習は過去問だけでいいとさえ思っています。とにかく大切なのは自分の答案をきちんと採点してもらい、添削指導を受けることなんです。
では、なぜ添削指導を受ける必要があるのでしょうか?
その理由は2つあります。
まず自分が伝えたつもりの内容が相手に伝わっていないことが多いから。
読解の読み違いをした場合は、自分の答案が間違っていることに気付きやすい。
問題は、文章が正しく読めて「内容的には」合っている答案を書けた場合なんです。
自分では正しく書いたつもりだから、答案の不備には自分で気付くことは難しいんよね。なので客観的に自分の答案を採点してもらう必要があるのです。
もう一つの理由は、表現のタイプは人によって違うから、です。
表現のタイプには大きく分けて2種類あります。「言葉が多すぎる人」と「言葉が少なすぎる人」。
そのどちらのタイプの人も、自分の答案の表現が「多すぎる」または「少なすぎる」ことに気付いていません。
当然「多すぎる人」にするアドバイスと「少なすぎる人」にするアドバイスは異なります。なので添削指導を受ける必要があるのです。
学校の先生でも、あるいは通信教育の添削サービスでもOK。
時期的には受験年度の夏以降でかまわないので、必ず添削指導を受けるようにしてくださいね。
私の添削指導は、講座の受講者の方のみに限定してさせていただいています。最近お問い合わせからの添削指導のご依頼をいただくことが多いのですが、講座の受講生の方以外への添削指導はお断りさせていただいています。ごめんなさい。
この記事の最後に、独学で勉強する場合の推薦教材について書いているので、参考にしてください。
うえの
③模試を受ける
次に大切なのは、現時点での自分の実力を知ること。記述模試の成績が返ってきた後は、偏差値だけでなく、点数を見てください。満点の半分ありますか?
そして次に確認してほしいことは、答案に部分点がついているか、ということ。
国語の記述答案で、減点無しのキレイな〇をもらうことって実は相当難しいんです。
満点の半分、という合格基準を満たすためには「何問完答するか」、ではなく「どれだけ部分点を積み重ねられるか」が重要。
あなたの答案に、部分点はついていますか?そうでないなら、当然点数も満点の半分以下のはず。①をよく読んで基礎知識の習得に努めましょう。
東大・京大志望者のための1日完結講座
東大志望者と京大志望者の人にとって、夏休みに実施される「オープン模試」(河合塾主催)と「実践模試」(駿台主催)は非常に重要な意味を持っています。
高等進学塾では「実践模試」の前に、夏期講習のオプション講座として東大と京大の二次対策講座を開講します。
1日完結の二次試験対策講座
レギュラー授業の受講者ではない方や、高等進学塾の塾生さん以外の方にも受講していただける講座です。
うえの
二次試験までのタイムスケジュール
夏までは基礎知識の習得に努める
毎年生徒の様子を見ていて、「おっ、伸びて来たな」と感じるのは早くても秋以降、という感じがします。成績を伸ばすためには、特に古文漢文の場合、単語・文法・句形などの基礎知識の習得が終わっている必要があります。
とにかく夏までは焦らず、先述した問題集などを使って基礎知識の習得に努めてください。
秋以降は問題演習と添削指導
基礎知識の習得が終わった後は、とにかく問題を解いて添削指導を受ける。
添削指導の重要性は先述したとおりですが、添削指導を受ける環境下にない人のために、おススメの問題集を紹介します。
『得点奪取』(河合出版)
この問題集は、現代文・古文・漢文と別冊ではありますが、国語の3分野すべて出版されています。
解説も詳しく分かりやすいので、二次対策用の市販の教材の中では独学に適していると思います。
うえの
この問題集に取り組んで行くのは秋以降でOK。
12月以降はセンター対策
これはあまり私が言わなくてもみんなそうすると思うんですが、12月以降はしっかりセンター対策に集中してください。
特に阪大や神大はセンターでビハインドをとると、情況はかなり厳しくなってしまいます。
東大や京大は二次試験の配点が高いので、挽回できる余地はあると言うものの、センター試験の結果がよくなければ精神的に追いつめられてしまうよ。
現行の大学入試制度ではやっぱりセンター試験って重要です。12月に入ってからは、二次試験の勉強はいったんストップしてセンター対策に切り替えてくださいね。
というわけで、今日は二次試験の国語について書いてみました。なかなか点数がとれないことにお悩みの受験生が多いと思います。
成績が上がったことが実感しにくい教科ではありますが、絶対に対策の効果は点数になってあらわれるので、がんばってくださいね。